Nacsportのようなスポーツビデオ分析ソフトウェアは、
特にチームスポーツで効果的だと思われているのではないでしょうか?
確かに、チームスポーツであるサッカー、ラグビー、ホッケー、バスケットボールなどでよく使用されています。一方で、ビデオ分析は、陸上競技、ゴルフ、テニスなどの個人スポーツでも使用されているのです。 ビデオ分析は、ほとんどすべてのスポーツで役に立つと思っています。本日は、個人スポーツの中でもテニスを例にして、どのように分析できるのかをみていきたいと思います。
『テニスのサーブを分析』
サーブはテニスで最も重要な部分の一つであり、時には、サーブの良し悪しで勝負が決まることもあります。そのため、対戦相手がどのようなサーブをするのかを知り、理解しておく必要があります。 サーブを分析する上でよく使用されるのが、1回目と2回目のサーブを追跡することです。上のようなボタンテンプレートを設定して、映像にタグ付を行う事でサービス中に起こりうる事を簡単に分析する事ができるようになるのです。
下のボタンテンプレートは、1回目と2回目のサーブの成功率とボールがコートのどこに着地したかを分析するためのボタンテンプレートの例になります。
次に、ダッシュボードを使用する事で分析した分析をみていきましょう!!
ダッシュボードを使用する事データを、下のように視覚的に確認する事が可能になります。
ダッシュボード上に作成されたグラフや数値は、映像と繋がっており、データをクリックする事でデータと関係がある映像を確認する事が可能になります。
サーブの分析をするに当たって、もう1つの強力なツールを紹介します。
それは、グラフィックディスクリプター機能です。これを使用すると、XYデータを使用し、コート上にタグを付けることができます。このデータを使用してヒートマップを作成する事ができ、それにより、サーブのボールがくる場所と、どこにいれば、それらが返球可能かを正確に示すことができるのです。
そう!!対戦相手のサーブに関する小さい癖を分析する事ができるのです!!
『ショット選択の分析』
成長するためには、間違いを分析することが大切な事だと思いませんか?
前回の試合で…
正しい戦術的なショットを選択する事ができたのか?
対戦相手がセンターコートにいた時の、ドロップショットは本当に最善の方法だったのか?
などなど、試合を振り返ると様々な疑問点が浮かぶのではないでしょうか?
テニスはゲームの展開速度が早いこともあり、直感的なプレーが多いとされています。しかし、慎重に分析する事で、選手の直感を磨き、最良のショットを瞬時に選択できるように成長を促す事ができるようになります。ショット選択の良い例と悪い例にタグ付けし、観察する事で、簡単に改善点を探す事ができるようになるのです。
『バイオメカニック分析』
もちろん、直感がすべてではなく、テクニックを見ることも同様に重要です。テニスでは、バイオメカニクスが選手の能力と弱点の分析において重要な役割を果たしています。
テニスの各ショットには基礎があり、身体にあった正しい基礎を身に付ける事で、計り知れないほど向上することがあります。もちろん、正しい姿勢や動きを習得する事は、怪我を防ぐのにも役立ちます。
ゲームにタグ付けし、良い例と悪い例を注意深く探し、改善方法を見つけたら、それらを纏めてプレゼンテーションを作成する必要になります。 選手と共有したい改善点を示した映像は、スローで再生させる事が可能であり、それらスロー映像を使用しプレゼンテーションを作成する事ができます。それらは、選手に正確な動きのショットを導く鍵になります。
また、映像から、一連の静止画フレームを作成することも可能で、それら静止画をエクスポートし、各ショットの体の位置を確認することも可能です。さらに、同じショットの映像をさまざまな角度(使用しているソフトウェアに応じて変化する。最大4つ)で比較する事ができ、体の動きの全体像を把握することもできるのです。 加えて、さまざまな映像を重ねて再生することも可能で、2つの類似したストロークを重ねて比較することも可能です。
『分析のモバイル化』
上記に加えて、当社のモバイルアプリであるTag&viewを使用すると、iPadまたはiPhoneで分析を行う事ができます。試合中ベースラインまたはサイドラインに立ち、iOSデバイスで撮影し、ゲームにタグを付けし、すぐにレビューすることも可能になるのです。
現在多くのコーチが分析の力に気づきはじめています。イギリスの有名選手を輩出しているミルフィールドスクールを例にとってみましょう。 彼ら彼女らは、幼い頃とキャリアの段階でビデオ分析を使用し、成長しているのです。
『最後に…』
いかがでしたか?
本日は、テニスの分析に接近してみました。もちろん、テニスだけではなく、ニュージーランドでは水泳競技でも使用されています。映像をコマ送りにし、画像のフレームとして分析する事で、対戦相手の考えや戦術の分析だけではなく、選手の細かな動きを分析するができますね。
本日もお読み頂きありがとうございました。
Nacsportの公式SNSアカウントは以下から
『筆者 Daisuke Matsuuraについて 』
関西大学大学院卒。オーストラリア、ニュージーランドでラグビーコーチング、分析等を学び、現在はニュージーランドと日本でラグビーコーチ/アナリストとして活動中。コーチとして、ラグビーワールドカップの優勝を目指している。今後は、ヨーロッパやアルゼンチンへ活動を拡げようと計画中。言葉、映像、環境を操り、人との繋がりを大切にして、選手のパフォーマンス向上とチームの勝利を目指しています。
SNSにて、最先端のラグビーコーチ、アナリストとしての活動内容を日々投稿中!!