アスリートメトリクス(Athlete Metrics)

トレーニングセッションの分析に使用される、選手のパフォーマンスおよびセッション指標について説明します。

A. アスリートのパフォーマンス指標

総走行距離(Total Distance)
パフォーマンス中またはその一部で、あらゆる速度で移動した総距離(メートル/ヤード)。トレーニング量を示す主要な指標です。

ワークレート(Work Rate)
パフォーマンス強度を示す重要な指標です。
総走行距離(m/y)を時間(分)で割った値で、運動の相対的な負荷を表します。

ハードラン距離(Hard Running Distance)
選手が 4.5m/s 以上の速度(または設定値)で走行した距離の総量。
ハードランはより強度の高い動作であり、疲労度を把握・管理するうえで重要です。
ハードラン閾値の変更方法はこちら(英文)。

ハードランレート(Hard Running Rate / HaRun/min)
パフォーマンスまたは区間中に、4.5m/s 以上の速度で走行した距離(m/y)を時間(分)で割った値。

ハードラン回数(Hard Running Efforts)
速度が4.5m/s(または設定値)を1秒以上維持した動作の回数。
繰り返しハードランを行える能力は、高水準の競技パフォーマンスの指標です。

スプリント距離(Sprint Distance)
設定速度(デフォルト6m/s)を超えて走行した距離。
高速度走行に定期的に慣れることは、軟部組織損傷(肉離れなど)の予防に役立ちます。
スプリント閾値などの設定方法はこちら(英文)

スプリントレート(Sprint Distance Rate / Sprint/min)
6m/s(または設定値)以上で走行した距離(m/y)を時間(分)で割った値。

スプリント回数(Sprint Efforts)
6m/s(または設定値)を1秒以上維持した回数。
定期的なスプリント刺激を取り入れることで、高速動作時のケガリスクを軽減できます。

最高速度(Top Speed)
パフォーマンス中に到達した最大速度。
選手の潜在的スピード能力を示し、アスリートプロファイル作成に役立ちます。

エクサーションインデックス(Exertion Index / Intensity)
距離・速度・持続時間を総合して算出した単一指標。
高速度・長時間の動作はより高い重み付けを受けます。

B. セッション指標(Session Metrics)

2Dロード(2D Load)
前後・左右など、水平方向の力を合計した値。身体にかかる水平負荷を示します。

3Dロード(3D Load)
前後・左右に加えて、**上下方向(垂直方向)**も含めた全方向の力を合計した値。
身体全体にかかる運動負荷をより包括的に把握します。

インパクト(Impacts)
IMU(慣性計測ユニット)で検出される 5.5G以上の加速度変化。
0.1秒未満の急激な加速変化(5.5G)は、体の接触などで発生する可能性があります。

心拍ゾーン(Heart Rate Zones / HR)
詳細な心拍トレーニングゾーンについてはこちらの記事(英文)をご覧ください。

平均心拍数(Average Heart Rate)
パフォーマンス全体での平均BPM(1分あたりの心拍数)。

最大心拍数(Max Heart Rate)
パフォーマンス中に記録された最高BPM。
一般的な「推定最大心拍数」とは異なり、このパフォーマンス固有の最高値です。

レッドゾーン滞在率(Percent Red Zone)
推定最大心拍数の90%以上で過ごした時間の割合。
高強度ゾーンでの耐久力を示す重要な指標です。

効率指数(Efficiency Index)
外的負荷(走行距離やワークレート)と内的負荷(心拍数)の関係を示す指標。

心拍数が低く、走行距離が長い → 効率が高い

心拍数が高く、走行距離が短い → 効率が低い

※心拍トレーニングゾーンの詳細についてはこちら(英文)をご覧ください。